ロックは英語で、というおれの偏見 - 150字日記 マチともの語り-地域・物語り・短編小説
2009
09
Jan
Posted by tomo on 22:37 / Category : 150字日記


おれがバンドで歌う曲の歌詞は英語だ。いや英語もどきと言うべきか。発音はネイティブが聴くと、おそらく英語ではなく国籍不明語だと思うだろう。歌詞の内容も100%理解しているわけではない。だいたいこんな意味かいなという程度である。じゃあ、なぜそんな不完全さなのに英語で歌うのか? その答えは、英語で歌う「音感」が好きだからだ。

小学校高学年から中学、高校にかけて、ビートルズとリアルタイムに成長した世代なんだよ。だから聴く曲は洋楽一本だった。高校を卒業した時分に、ちょうど「アビーロード」が発売になり、まもなくビートルズは解散した。

大学に入ってロックバンドで歌い始めたんだけど、なぜかビートルズの曲ではなく、ストーンズのナンバーを選んでいた。自分で歌うには、そっちの方がしっくりきたし、さんざん愛聴してきたビートルズの楽曲群には手を出す気になれなかったんだ。

ストーンズの他には、ニール・ヤングとか、ロリー・ギャラガーとか、ブルースのスタンダードなどをレパートリーにしていた。

その頃には、「はっぴいえんど」などの日本のバンドが、日本語でロックを歌い始めていた。つまりは、オリジナル曲を書いていたということだ。当時のそんなバンドで印象に残っているのは、京都から登場した「村八分」くらいかな。「水たまり」とか歌ってみたが、やはり日本語で歌うのはピンと来なかったのを覚えている。

そのとき組んでいたバンドメンバーの中には、オリジナル曲を作って歌う奴もいたけど、おれにはできなかった。理由としては、才能が無かったということに尽きるが、あえて言うと、日本語ではロックにならないと思ったし、英語で歌詞を書けるはずもなく、結果として、自分にはオリジナルなんて無理だということになったのである。

今の若い世代がこんなことを聞くと、アホかと思うに違いない。ロックに英語も日本語もないやん、ロックはビートやし、日本語で歌っとるロックバンドはぎょうさんいてはるで、と嘲笑するだろう。

でもなあ、少なくともおれにとって、日本語の歌はロックじゃないのよ。もちろん、日本語で歌われる音楽的に優れたいい歌はたくさんあると思う。ネイティブ言語だから、意味もダイレクトに伝わってくるし。

けど、意味がわかるから伝わるものがあるとは限らないぜ。怪しげな発音で、歌詞の意味もある程度しか把握しないまま、ばってん、だからこそ、そこに感情を乗せて歌うことができるという不思議な事実がある。

何が伝わっているのかは、よくわからないが。

というわけで、おれは今後とも英語もどきの歌をうたい続けようと思う。もどきだから、その場で適当にそれらしい歌をうたえるのは、唯一の利点であります。

 



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