マチともの語り-地域・物語り・短編小説 - 【About Us】 ゲリラ・パブリッシング宣言
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 ゲリラ・パブリッシング宣言

「ゲリラ・パブリッシング」とは耳慣れない言葉でしょう。
それもそのはず、これは今回ぼくたちが初めて編み出した言葉なんです。

■ゲリラ(= guerrilla )とは
「ゲリラ(= guerrilla )」はスペイン語で「小戦争」の意味が転じて、「敵の後方や敵中を奇襲して混乱させる小部隊」つまり「遊撃隊」のことを指すようになりました。ゲリラ戦の有効性は毛沢東の名著『遊撃戦』にまとめられ、六十年代のキューバ革命ではチェ・ゲバラによって実践され、ベトナム戦争でも米軍を敗退に追い込んだことで知られています。

しかし、今日においてはこれらは完全に忘却され、ゲリラ行為は「テロリズム」と混同される事態に至っています。というかテロリズムと混同さすことで封じ込めようとしているのでしょう。これは逆に二十一世紀の現代においても十分にその有効性があるということの反証に他なりません。
遊撃戦論
「ゲリラ戦=遊撃戦」の基本は「小部隊による戦況に応じた臨機応変な」闘いを継続することにあります。対する敵が圧倒的に大きく、優勢であり、社会的なさまざまな機能を掌握している状況で、正規軍同士の正面からの会戦を挑めば、これは玉砕するしかありません。正規軍による戦争は消耗戦であるのですが、ゲリラ戦においては無駄な消耗戦を避け、戦術的には「Hit and Away」を繰り返しながら長期戦に引き込み、相手の消耗を待ちつつ、自らの勢力を温存し、さらに拡大していくという戦略です。

万人による自由なパブリッシング活動を展開するためにこの「ゲリラ戦」という有効な戦術を活用しようというのが、ぼくたちの考えている「ゲリラ・パブリッシング」です。

■SOP(Small Office Publishing)とは
この「万人による自由なパブリッシング活動」の中心となるものとして数人から十人未満の小さな個人のグループ、小規模な編集プロダクション、会社の一部門などを想定してみました。これらの小規模な出版活動の主体をSOP(Small Office Publishing)という概念で捉えていこうと考えているのです。

ではなぜSOP(Small Office Publishing)なのかということを説明します。

日本ほどどこにでも本屋があり、たくさんの書籍が並んでいる世界でも有数の出版が盛んな国の一つですが、誰もが自由に出版=パブリッシングをできるとは限りません。

今、書籍を出版する、継続した書籍出版活動を行なうことがなかなか難しくなっている※1ため、すぐにある程度の部数が売れるだろうと(狸の皮算用にせよ)算盤がはじける企画でなければ引き受ける出版社はほとんどないといってもよいでしょう。そのためか自費出版は空前の活況を呈してそうした出版社だけは業績もよいようです(しかし数百部の出版に著者自身の大きな自己負担が必要)。

一方、デジタルパブリッシングの大きな流れ※2が生まれています。
ぼくたちは「誰もが自由に出版=パブリッシングをできる」ための手段として「電子出版」と「オンデマンド出版」※3に希望をかけようと思います。「マチともの語り」から生まれた作品のドットブックによる積極的なパブリッシングを今年からスタートし、来月にはオンデマンド出版にも乗り出すところです。こうしたデジタルパブリッシングを実践する中で「自由な出版活動」の可能性を感じています。

ブログによる「マチともの語り」サイトという発表の場から生まれた作品をパブリッシングするのに必要なのは情熱と汗だけで、これまでならば必要であった資金とその回収リスクというハードルが大きく引き下げられたからです。数名の仲間とそれを信頼して作品を任せてくれる作家たちが集まれば、自前のパブリッシングとしてカタチにすることができるというのはとても素晴らしいことでしょう。これこそがデジタル化という技術革新がもたらした恩恵です。これを活用することで、小さな負担で(汗はたくさんかく必要はありますが……)、多様な作品を世に送り出し、また後世へと手渡すことが出来るのです。

これから必要なのは、電子本やオンデマンド本を世の中の読書子に知らしめ、認知させ、広めていくことでしょう。電子本やオンデマンド本として送り出した作品がしっかり読者を得て、そのきびしい評価を経ていく中で新しいパブリッシングは育っていくと思います。

しかし、これが育つにはまだ暫くの時間が必要なのは事実でしょう。短期決戦で勝負をかける準備はまだ整っていません。ぼくたちは「ゲリラ戦」を展開しなら、拠点を確保し、仲間を増やしていかないといけないと考えています。一人で出来ることもあるでしょうが、やはりそれは限界があり、継続した活動を維持するには仲間が必要です。想定している機動的な「ゲリラ戦」を展開するための小部隊は、意思疎通や目標の共有をする意味でも数人から十人くらいの小さなユニットが向いていると思います。こうしたSOP(Small Office Publishing)に挑んでみようという仲間を募集します。


■ゲリラ・パブリッシングの当面の目標

・1つのSOPが10~50人の作家を確保
・1つのSOPで年間30~150作品を公開
・1つのSOPから年間20~100作品を電子出版
・1つのSOPから年間3~12作品をオンデマンド出版

数年後には100前後のSOPでネットワークを形成するのを目標とします。そうなればこれまでの書籍出版では世に出なるチャンスがなかったさまざまな作品群が大きな塊となって登場するでしょう。

とはいえ千里の道も先ずは最初は一歩から。
面白そうだとお考えの方はお気軽にご連絡ください。
また近日中に「マチともの語り メンバーフォーラム」へ相談窓口を開設いたします。

2005年8月29日
マチともの語り編集室


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※1:これまで出版といえば紙の書籍として世に送り出すことでした。多くの読者に著作を届けるには、それが一番コストパフォーマンスがよかったからです。印刷・出版業はそのために弛まぬ技術革新を行い、流通網を整備して全国津々浦々どこでも同じ価格で書物が手に入るという素晴らしいシステムをつくり上げてきました。しかし、その実態としては書籍は八十年代後半から活字離れが顕著になり、それを雑誌とコミックで支えていたのですが九十年代前半に雑誌も売れなくなり、最後のコミックも九十年代後半には息切れします。そこから出版業界の構造不況が始まり、返本率が40%を超え50%近くになるなど、この国の出版を支えてきたシステムは制度疲労で崩壊寸前です。取次ぎが運転資金の保証をおこなういびつな構造でなんとか自転車操業が続いているに過ぎないとは言い過ぎでしょうか。


※2:その一方で勃興してきたのはデジタルパブリッシングです。八十年代のパソコンの登場、九十年代のインターネットの普及という新しいメディアと端末機器が出揃うことで、パブリッシングのデジタル化の環境は整ってきました。この数年はケータイ電話がネットの端末となり、ギガバイト級の容量を持つものまで登場しています。すでに音楽ではCDというパッケージ商品の時代は終わりを迎えようとしており、iPodとiTuneミュージックストアに代表されるノンパッケージコンテンツ化が始まっています。テキストコンテンツも早晩、こうした流れに追随することになるでしょう。

※3:「マチともの語り」では、ボイジャー社との提携によってT-Timeによるドットブックでの電子本、それと今回初めて挑戦した「T-bridge」「ドットブレス」によるPDF版下出力とコンテンツワークス(CWI)社のオンデマンド印刷を組み合わせたシステムが出来上がりました。
08/29/05




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