ぼくたちの空(3) - ぼくたちの空とポポの木 by まつざわなおき マチともの語り-地域・物語り・短編小説
2005
07
Aug
Posted by 松沢直樹 on 10:15 / Category : ぼくたちの空とポポの木
校長先生はマイクを使わなかった。すごく大きな声で、ぼくたち一人一人に話しかけるように、ゆっくりと話をはじめた。

しずかになった体育館にひびく校長先生の声は、いつものやさしい校長先生の声だった。だけど、なんだかおこっているようにも聞こえた。

「いつもの登校日は、各クラスで朝礼を行います。ですが、今日は児童のみなさんと先生方全員にお話したいことがあって、体育館に集まってもらいました」

校長先生は、せきを一つすると、ゆっくりと話を続けた。

「三年二組のみんなは、教室からここに来るまでとても不安だったのではないかと思います。

ほかのクラスはたんにんの先生が体育館まで引率してくださるのに、なぜ自分のクラスだけは、たんにんの先生がやってこないんだろうと思ったのではないでしょうか。

それなのに、クラス委員が先頭になって、みんなで協力して、自分たちだけで体育館にやってきてくれて、本当にありがとう。

校長先生はとてもうれしいです。学校中の先生もとてもうれしく思っています。

ついさっきまでまよっていたのですが、全学年の先生と話し合って、なぜ、たんにんの横川先生が今日学校に来られなかったのかということについて、全学年の児童のみなんさんにお話することにしました」

校長先生は、また一つせきをすると、話を続けた。

「きのう、三年二組のたんにんの横川先生が、体の調子をくずされて入院されました」

うそでしょ? ひろえ先生が? あんなに、にこにこしながらひまわりにお水をあげたり、ぼくと博史にポポの木のまほうのことを教えてくれたのに? どうして? なんで?

校長先生の一言で、ぼくは目の前がまっくらになった。

 



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