武士道から見た黒田騒動 by 石瀧豊美 マチともの語り-地域・物語り・短編小説
 
Posted by 石瀧豊美
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これまでのサブタイトルは
 究極の内部告発はなぜ起きたか 
でした。
これを
 死ぬよりもつらい選択がある 
に、変更することにしました。
 
Posted by 石瀧豊美
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私の研究テーマはいくつかありますが、ライフワークは福本日南の研究です。日南は福岡藩士の家に生まれ、現在では主にジャーナリズムの側面で注目されていますが、それはあくまでも日南の一面でしかありません。あまりに多方面に活躍したこと、つまり特定のジャンルに収まりきれないことが彼を埋もれさせることとなったのです。日南を陽の当たる場所に! と、頼まれもしないのに汗をかいているという次第です。

ところで、日南が森鴎外の「栗山大膳」が発表されるや否、厳しい批判を浴びせたことは、文学史の分野でもあまり注目されていません。

日南と鴎外の対立点は、黒田騒動における栗山大膳の行動をどう評価するかでした。この連載ではその点を比較したいと思っていますが、その手がかりの一つとして、福岡藩士の手になると思われる実録体小説「箱崎釜破故はこざきふばこ」を紹介したいと思います。

「箱崎釜破故」はある意味で傑作として評価するに足るものですが、従来、歴史資料としてものさしを当てたために、どちらかと言うと荒唐無稽と見なされ、低い評価しか与えられていませんでした。これは小説であって、文学作品としてものさしを当てるべきでしょう。

日南の栗山大膳観、そして「箱崎釜破故」の作者の栗山大膳観……いったい栗山大膳とは何者か。彼はなぜ福岡藩黒田家52万石の取りつぶしにもなりかねない反逆をあえてしたのか。大膳は藩主黒田忠之が謀反を働こうとしていると幕府に訴え出たのですから、究極の内部告発、ことによると史上最大の内部告発かもしれません。

私は栗山大膳の行動を読み解くには「武士道」の理解が欠かせないと思うようになりました。武士道という補助線を引いた時に、多くの人々を苦しめた難問をすっきりと解けるのではあるまいか。それが本稿で追究したいことです。
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■語り部・語り場