ケータイ読書/ケータイ書籍への期待 - エディット・ピラフ マチともの語り-地域・物語り・短編小説
2007
18
Nov
Posted by MAO(野知潤一) on 13:36 / Category : エディット・ピラフ
久しぶりに編集後記を書こうと日曜日の朝、パソコンに向かっています。夏の背骨を折るという大怪我もやっと回復期で、積み残した宿題に取り掛かかることができるようになりました。

さて昨年から、ケータイ読書という新しい動きに電子出版業界は希望を見出し、コミックを中心に大量のタイトルを投入し、今後拡大が期待できる「市場」としてのビジネスモデルのベースができたようです。

最近公表された「電子書籍ビジネス調査報告書2007」によると、「携帯電話・パソコン向けの電子書籍市場は、2007年3月末時点で約182億円、前年度比194%と大きく成長」「携帯電話向け電子書籍は約112億円で、全体の62%」ということで、携帯端末がデジタル文庫本として「紙」に代わる電子書籍の受け皿の「本」としてユーザに受け入れられようとしている。

とはいえまだ市場規模は小さく、ケータイ読書を楽しみ始めたのは十代~二十歳前後の若いユーザが多いので、これがどう今後拡大していくのか、そのためにはどういったコンテンツが必要なのかはこれからの課題です。

インディーズ・パブリッシングへの挑戦を目指す「マチともの語り」では、2005年からPC向けに電子出版を行って来たのですが、先駆的な取り組みではあったとはいえ電子出版することで多くの読者を獲得するという本来の目標には届かなかった。やはりパソコンのモニターでは「紙」の本の利便性にはかないません。

しかし、電子本に編むことで生まれた作品の原版(ボイジャー社ではこれを本の「原液」と呼んでいます)からオンデマンド本への展開など、これは大きな可能性を秘めていることは確認できました。

コミックもテキストも扱える携帯読書ビュアー「ブックサーフィン」でボイジャー社のドットブックもケータイ書籍への対応ができ、電子出版は新しい主戦場をケータイ読書に移すことになると判断し、ぼくらも昨年スタートさせた官能小説サイト「モモカタリ」から生まれた作品をケータイ書店へ配信することになったのが今年の五月。
まだ半年余りですが、すでに20タイトル以上を送り出し、ケータイ書店「dwango.jp(ブック)」の小説部門では人気レーベルに育ってきています。

ケータイ読書という新しい環境での出版に関しては、まだまだ工夫しないといけない点は多い。それは端末機器やビュアーだけの問題ではなく、作家にとっても版元にとっての課題でもある。作品と読者の出会いを実現させるのがパブリッシングであるわけですから、知恵を絞って新しい方法を見つけないといけません。

ボイジャー社はこれまでT-Time、ドットブック、ドットプレスなど日本における電子出版のパイオニアとしてさまざまなツールを開発してきましたが、今後パブリッシングへも踏み出そうとケータイサイト「小説キッチン」をこの夏にスタートさせています。
「マチともの語り」もこの「小説キッチン」プロジェクトへ積極的に参画し、新しいインディーズ・パブリッシングの梁山泊を目指します。
今後の具体的な計画は、このコラムで発表していくのでお楽しみに。

 



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